指針式液面計のフロート検出方式について

概要

指針式液面計はフロートにより液位を検出しますが、測定対象の違いや施工性、設置形状の違いにより様々な検出方式が存在します。
ここでは指針式液面計に使用する検出方式について、その特徴と選定方法について記述します。

LG-300-1L

SS方式

最も代表的な検出方式です。液位変化への追従性が良好で様々な種類の液体に対応します。液中の浮遊物や粘性液体の付着等も強い検出方式です。計測長について特別制限はありませんが、比較的長距離を計測する際に採用される事例が多いです。

容器内部にワイヤーを張り、それをフロートのガイドとして使用します。新規設置時は簡易的な施工で容器側装備も少なく済みますが、フロートをメンテナンス等で取り外す際に容器内部での作業が発生します。

比較的大型の屋外タンクに良く使用されます。

適用フロート

標準
φ240×70H
オプション
φ178×75H, φ200×50H, φ320×70H, φ350×160H

SG方式(SD方式)

SG方式測定対象の液体に波や流れ等があり測定に対し外部影響が予想される場合に最適な検出方式です。フロートガイド(防波管)がフロートを包み込んでいる為、液体の波や渦、流れをはじめ風や飛来物の影響も隔離することが出来ます。計測長については特別制限はありませんが、フロートガイドに使用するパイプは内面が平滑で垂直に設置する必要があります。

前途の理由からフロートガイドにはシームレス管の使用を推奨しております。フロートガイドの施工は前途のSS方式に比べ負担の大きい物となりますが、容器外部からフロートを外すことが可能な為メンテナンス性は極めて良好です。

装置組込等の小型タンクや、容器に攪拌機が付属する場合に良く使用されます。

適用フロート

標準
φ97×150H
オプション
φ72×100H, φ120×100H, φ140×100H, φ178×75H, φ200×50H, φ240×70H

S方式

計器に付属したフロートガイドを容器内部に挿入する検出方法です。取付施工が容易で、容器内に液体が残っている場合でも施工が可能です。また取付ノズルも比較的小さい物に対応できるので容器側装備が少なく済みます。フロートが横倒しになるので液位変化への追従性は良好ですがフロートの大きさに制限がある為、使用できる液体・型式には制限があります。また容器内に攪拌機等の渦、水流がある場合は適しません。

比較的小さい容器に採用されることが多いです。従ってタンクトップ型での使用がそのほとんどで、タンクサイド型での使用は製作は可能ですがあまり例がありません。フロートガイドが2mを超える場合は、ワイヤロープとウェートの組み合わせで使用します。

施工性・メンテナンス性は抜群ですが使用する条件を良く確認する必要があります

適用フロート

標準
φ50×300L
オプション
φ42×300L, φ50×400L

MJ方式(MH方式)

MJ方式フロートとテープを直接結合せず、磁石によって位置変化の伝達を行う検出方式です。容器内雰囲気と計器側を遮断する事が出来る為、揮発性の液体や臭いの拡散を嫌う場合に最適です。またフロート形状を球状にすることにより1.5MPaまでの圧力に対応する事も可能です。

磁石を通すガイドパイプが必要の為、長距離の測定には製品の大きさ・施工性の面から不向きです。また液中に浮遊物がある場合もフロートの擦動を阻害する為適しません。

燃料油や溶剤、薬液の測定に多く使用されます。標準品の接液部はSUSですが、特殊対応にてPVC被覆が可能で腐食性の液体にも対応可能です。

MJ方式
φ240×70H
MH方式
φ178球形